新型コロナウイルス感染症が、日々感染拡大している状況下、私ども信仰者一同は悲しくも犠牲になられた方々へ追悼の祈りを捧げ、さらには、行政や医療現場の方々、生活に必要な業務を行う皆様が感染することなく、一日も早く事態が終息するよう大神さまに祈る毎日です。
教会長、神事所長はじめ教導職の皆さまには、専門家会議の提言「スポーツ、文化、宗教、娯楽等の各種行事等を含め、大人数の集まる場所や、イベントを避ける」を受けて、神祭事の教信徒さんの参列を遠慮し、縮小した形での斎行なと、さまざまな感染防止対策にご協力くださっていることに感謝申し上げます。
此度の国難とも云うべき状況は、日頃の信仰活動を支えてくださっている、教信徒さんや、地域の皆さまの健康のみならず、生活や経済にも甚大な被害が及ぶ状況となっています。私たちには信仰者として、苦難に喘ぐその人たちの心に寄り添い、献身する使命があります。
75年前の我が国は、戦災によって多くの犠牲者を出し、街は焼け野原になりました。師匠がたからは「焼け落ちた本殿脇の境内に、畑を作り、芋を植え、飢えを凌ぎ、地域の皆様と助け合いながら、扶桑の教えの灯を絶やさず復興を目指した。」と聞かされました。現在の状況は、まさにその苦しく生きづらい状況だと言えます。今こそ、教信徒さん、地域の皆様と力を合わせて、皆様の心の支えとなるべく奉仕に勤めましょう。
信仰者は、この苦難に奮起し、強く、そして、優しくあることを希求します。ご開祖角行さま、食行さま、歴代管長さま、先達さまがたがより伝えられています扶桑の教えと、その絆は、きっと難局を乗り越える力となると確信しています。
「歯を食いしばり奮励努力されたし」
令和2年5月3日
冨士道第十二世 扶桑教管長 宍野史生