冨士山開山第一儀 開山御神火大祭開催

6月3日富士吉田市の冨士山元祠で開山御神火大祭を斎行しました。コロナ禍で昨年、一昨年の御神火大祭は東京世田谷の太祠で斎行しましたので、三年振りの冨士山元祠での奉仕となりました。当日は勅裁特立百四十年を祝い「ときめきの富士写真家」ロッキー田中さんから「冨士山登山五道」総てが写り込んでいる冨士の作品が奉納されました。来賓として富士吉田市長のメッセージを、ふじよしだ観光振興サービス常務理事 眞田吉郎様から、そして早川ひろし山梨県議会議員から祝辞を頂きました。
神事は教嗣さまを神事司に、坂本文蔵総務を大道彦として講社神事員が勤め、全国皆様からの念願成就と今年の富士山の無事安全を祈願いたしました。

ウクライナ情勢を憂慮し、平和的解決を求めて

日本宗教連盟は、2022年2月24日に開始された、ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻に深い憂慮の念と、武力による暴力の行使に強く反対の意を表します。この戦争により命を失われたすべての方々に衷心より哀悼の意を捧げ、大切な家族を失われた人々、平穏な日常生活を奪われ恐怖、不安、悲しみの中にいる人々、避難生活を余儀なくされている人々に、心よりお見舞い申し上げますとともに連帯の思いを表します。

私たち宗教者は、これまでも恒久平和を希求し、真に平和と言える社会の実現のために協働してまいりました。この戦争が対話と歩み寄りによって速やかに終結し、ウクライナの人々に一日も早い平穏な日常が戻ることを祈念いたします。

日本宗教連盟は、この軍事的侵略による人びとのあらゆる痛みと苦しみに寄り添いながら、一人ひとりが当事者として考え、世界中の誰しもが安らかに生きられる真の世界平和の実現を目指してまいります。

 

2022年3月4日  日本宗教連盟

初月次祭福徳歳開祭を斎行しました

1月12日冨士山太祠にて初月次祭福徳歳開祭を斎行しました。教嗣さまより参列者と全国教信徒さまに授与される神札に金幣神事が授けられ大神様の福徳を賜りました。

神賑行事として富士塚寄席を開席いたしました。桂鷹治さん できたくん 雷門小助六師匠の熱演でコロナも吹き飛ばされたようでした。

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管長教話

皆様にはお健やかに新春を迎へられ大慶に存じます 昨年に引き続きましてのご高配に心より感謝申し上げます。

さてコロナ感染症は足かけ3年に渡り私達の生活に様々に影響を及ぼしています。この間に悲しくもコロナの犠牲になられた方に哀悼を捧げ、さらに病気に苦しんでいる方々の一日も早い回復を願っています。 そして連日休むことなく対応されているソーシャルワーカーの皆様の尊いお働きに心を寄せ感謝いたします。

今日の初月次祭は教嗣が斎主をつとめ奉仕申し上げました。 本来なら管長が奉仕するのが慣例ですが、私は昨年2月に自身の母、そして12月に父が身退り送りましたので 拝殿にて祈りを共にさせて頂きました。

もとより本教の教えでは死は「穢れ」ではありません。人生の一部であります。

「戒論文」には「抑も人の霊魂は神の気より成れるものにして 神の界より出でたれば 身退りては 後 其の神の界に還りて 永く消ゆることなく 神の御掟に 従ふものにぞ ありける」と説かれています。

私達は、死すれば再び神様の「御元」すなわち 神様のおいでになる都の「都天」 に帰る「還原」するのです。 そして神様の御側使えの命様としてお立ちになり 

「この世では世の為に」 「都天なる神の界では神様に使へる使命を預る」のです。 遺族としては寂しく辛いことですが、只々嘆き悲しむのではなく故人の生前の働きを讃へ感謝をこめ誇り高く神様の世界に送りだすのが残った者の勤めなのです。 

でありますから私も翌日より御神前で常々の祈りと奉仕を勤めています。

さりとて 父の葬儀よりまだ五十日を経ていませんので習俗にならい晴れの祭典の奉仕を控えさせて頂きました。

 

さて、本年は明治15年5月15日に 明治帝より勅裁を下され本教が神道扶桑教として特立を許されて百四十年を迎へます

初代様は江戸幕府により安永4年以後、百年に渡り布教禁止であった冨士講をまとめ、勅裁を受け一教派を特立したのであります。

初代様の並々ならぬご苦労を思うと、現在の私達は誠にありがたい幸せをいただいています。 

改めて初代様のご偉業を称えたいと存じています。そして、その御遺德に応へるためにも日々日々一層益々と精進を重ね「天地平安」 「萬人安福」 「他が為に祈るこの道」の扶桑の教へを一人でも多くの方々に伝へ「天恩 地德 互いに感謝」の世の中を弘げて参る所存です。

今日ただ今も地球の各地で紛争や戦いが起きています。過去百年の戦争の原因は主に石油です。エネルギー源の石油を独占するため他国を侵略し、人々を殺戮してもなお、飽く無き占有欲がなせる事象でした。

であるなら、これからは大きく変わるターニングポイントを迎えていると思います。 なぜなら最早、私達は石炭・石油を唯一のエネルギー源とするのでは無く再生可能エネルギーへの転換を見出しているからです。

自国で自給できるシステムが構築され、技術開発が急速に進んでいます。

今や、世界では着々と準備が進んでいます。 

「石油・土地・貨幣経済を制した者が富を得、勝者となる。」という、これまでの価値観から私達は脱却しないといけません。 それは、風も太陽光も天から等しく総ての生命体に無償で与へられるものだからです。誰一人として独占出来るものでは無いからです

ここで、我が国は古い価値観に囚われ、誤った道を進んでしまうと国際社会から大幅に遅れを取ります。

私達は変化を見定め、将来を担う子供達に、向かうべき明るい道を示せるよう、しっかりと目を開き未来を予知できなければなりません。「グロ―バル経済・貨幣経済・第一」という一見煌びやかで絢爛豪華な宮殿から外へ出て、風の聲を聞き、お日様の光を全身で浴び、大地を駆け回る姿を思い浮かべて下さい

今こそ「地球上のあらゆる生命と共に生きる」を実践する時です。

今年が皆様にとり心明るく心朗らかな一年となりますようお祈り申し上げます。

神道扶桑教管長 宍野史生



本年の新春朱印

壬寅、今年の新年御朱印です。
「雲従龍風従虎」
(「易経‐乾卦」の「同声相応、同気相求〈略〉雲従レ龍風従レ虎〈略〉各従二其類一也」による) 龍は雲を従えることによって勢いを増し、虎は風を従えることによって早さと威を増す。物事はそれぞれ相似たものがいっしょになったり、いっしょになろうとして、うまくいくものだという意です。

SDGsをはじめ、価値観を共にする者が心一つになれば「変えられるはずがない」と諦めているものも「変えれる」そして変わる一年になると予知しています。
今やアニメ「千と千尋の神隠しのカオナシ」と化し拡大の限界を迎えた現代資本主義経済から本質的な社会主義経経済に移行されるかもしれません。(そういった意味では日本は世界に先立っているケースかと思えます。)
信仰的には、「土」(不動産=富)のこれまでの100年から「風」(無形・無色さらに心地よい香り=安)
の世紀に突入します。富(土地、財産)に縛られた者は、只々豪華な宮殿の室内から動くことを恐れるが故に風を感じられません。宮殿から外に出て、神様のお息(風)にあたることが肝心と思ってます。

新年ご挨拶

富士吉田市 川村一樹氏撮影

皆様にはお健やかに新年を迎へら心より嬉しく存じています。今もなお新型コロナウィルス感染症は完全収束を見ず多くの方々が厳しい環境の中で生活を送られています。医療従事者の皆様の献身に感謝を捧げ、さらに飲食業、観光・サービス業、製造業など様々な職域にてご苦労されている皆様に一日も早く穏やかな日常が訪れることを願っています。本年の干支は壬寅です。前回は61年前の1962年。世界ではキューバ危機、中印国境紛争、ビートルズのレコードデビューなど、日本では首都高速道路初区間の供用開始、リニアモーターカーの研究開始、キューピー3分クッキング放送開始、北島三郎さんのデビュー等を思い起こします。さて本年はどんな1年になるでしょうか。本教では昨年の御開祖様ご生誕480年、中興元祖食行様ご生誕350年さらに富士山元祠が10月14日付で国の登録有形文化財へ登録されるなど数々の喜びの年でした。そして本年は元亀3年6月3日に御開祖様が富士山頂に立たれ富士道を開かれて450年、さらに神道扶桑教が明治15年勅裁特立を受けて140年の佳節を迎えます。皆様はじめ先人先達の方々が富士信仰の伝統と文化を大切に護り伝えてくださったお蔭と心より感謝しています。
私たちの人生は長くて100年の物差・定規(スケール)で測れるものですが伝統・文化・信仰は500年1000年の物差でないと本質は測れません。私達は長い物差で培われた知恵と思いを次世代に伝えていく使命があります。それはこの地球上で人が人としていかに生きてきたか、山川草木・獣・鳥・家畜・魚・虫・細菌等をも含め共に如何に共存してきたかを問い直す時期です。例えば100年間の自分自身の人生で権力を振り翳し他人より物量が満たされていることが本当の幸福なのでしょうか。自身の肉体が消えて後を想像することができないほど私たちは愚かになってしまったのでしょうか。現在も重要ですが、未来への責任も大切です。皆様には想像力を豊かにして神様と共に未来を思う一年でありますよう心よりお願いします。

富士道十二世神道扶桑教六世管長宍野史生

 

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