全ての生命の持続と営みは、大祖産神のみはかりによるものである。よって生きとし生ける者が与えられた生命を幸福に過ごすため互いに共和し共助することが何よりも大切である。この相互扶助の精神を実践されたのが御開祖藤原角行さまはじめ冨士道の先達であり実践のため組織された富士講である。私たちは「地底より天空へ息吹なす冨士山こそ、天地結霊の御柱・萬本の根源である」という冨士道の教えに基づき、山そのものを崇拝するのでない、形儀・無有を超えての冨士山を根本道場として「他のために祈る」まことのこころを以て惟神の大道を宣揚する。冨士登拝修行ではたとえ嵐の中にあっても「六根清淨、御山は晴天」と唱えながら神の大息に自身を投じる。主唱する御神語「こうくうたいそく みょうおうそくたい じゅっぽう こうくうしん」で、神人合一の境地に身を置き、また御神名「たかまのかむろ かむろぎかむろみ くしきみたまを さきはへたまへ」を唱えて、安心立命への信仰心を高め、神の大恩を忘れることなく、「天地平安・萬人安福」「他が為に祈るこの道」を真願に日々実践してゆくことが大切である。また、人はその生を終えると、魂は大神のもとに還り「みそばつかえの御霊」として修行を続けるとして顕幽一如を説き、神の「みおきて」のまにまに生かされていることを心得ることによって大神とのムスビを認識することができる。
祭式と祈り
毎月次祭をはじめとする祭儀には、教祖が著した本教の教典である「神徳経」を全員で奉唱し ている。純神道の面の他、本教は神事として行衣(山装束)を着て冨士山の形に組み上げた斎木を焚き、その浄火による祈祷を行なう法をも併せ持ち、開祖以来の冨士道統と教祖以降の教統を現在に継承しているが、双方とも根本に「無私」の心を以て人心を救済する、揺るぎない祈りが込められている。
祭事
扶桑教では神徳の顕現と宣教のために毎年三回の大祭のほかに、冨士道伝承の御山神事(冨士登拝)などを行っています。
○大祭 報元大祭 三月春分の日 九月秋分の日
開山御神火大祭 六月三日
○御山神事 冨士登拝 七月中旬~八月中旬